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★比に足止め 旧日本兵遺骨4370体 法違反? ODA要求?
政府派遣団による遺骨収集事業で今月、フィリピンから持ち帰る予定だった旧日本兵の遺骨
4370体分が突然、同国政府側からストップをかけられ、マニラの日本大使館倉庫に保管
されたまま“足止め”状態になっていることが26日、分かった。フィリピン側は遺骨を焼く
(焼骨)行為などが法律違反に当たるとしているが、現地では「ODA(政府開発援助)との
引き換え」を示唆する自治体幹部もいたという。政府は外交ルートを通じて、フィリピン側と
交渉を開始、解決の方策を探っている。
4370体の遺骨は、国の委託事業によってNPO法人「空援隊(くうえんたい)」(理事長
・小西理(おさむ)元衆院議員)が今年9月以降、同国の各島から収集したもので、今回、
政府派遣団が新たな収集分と合わせて、日本に持ち帰る予定だった。
ところが今月18日、カモテス島で行う予定だった収集作業に対し、管轄の州知事から突然、
「許可を出せない」との連絡が入った。驚いた派遣団や現地の日本大使館員が確認したところ、
地元自治体幹部が「日本からのODAが来ないので、遺骨収集も行わせない」などと発言して
いることが分かった。
また、遺骨を持ち帰るには日本の検疫と輸送時の分量を減らすために、現地で焼骨を行うことに
なっているが、それに対しても、フィリピンの保健当局が、「公衆衛生法違反の疑いがあり、
許可できない」と通告してきた。
このため派遣団は日本に持ち帰ることをいったん断念。約80箱の段ボールに遺骨を詰め、
緊急避難的な措置として日本大使館の倉庫に収納して、25日夜、成田空港に帰国。26日に
予定されていた千鳥ヶ淵戦没者墓苑での遺骨引渡式も中止となった。
フィリピンでは空援隊が現地住民の情報ネットワークを活用した新方式を構築した昨年秋以降、
飛躍的に収集数が伸び、すでに約5千体の遺骨を日本に持ち帰っている。今回、フィリピン側が
突然、態度を硬化させた背景には、「習慣の違いなどに加えて、経済面での要求があるのではないか」
(派遣団関係者)という見方がある。
担当の厚生労働省外事室は「いくつかの法解釈の違いがあったために手続きが整わなかった。
すでに外務省を通じて、フィリピン側と協議に入っており、(収集した遺骨は)何としてでも
日本に持ち帰りたい」としている。
産経新聞2009年11月27日(金)08:05
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