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ところで、小学生への性行為は犯罪につながるが、「女児」のように、小学生で妊娠・出産するような例は、本当にあるのか。
10代の性に詳しい赤枝六本木診療所院長で産婦人科医の赤枝恒雄さんは、妊娠についてはありえると明かす。
「排卵は小学5年生ぐらいから始まりますので、性行為をすれば妊娠する可能性が出てきます。
私の診療所などでは聞きませんが、妊娠例はあるでしょう」
■小学生の出産「まず考えられない」
ただ、小学生の出産については、赤枝恒雄さんは、まず考えられないという。
「骨盤がまだ狭いので危険があり、赤ちゃんが窒息すれば、仮死状態で生まれる可能性があります。
また、母親も妊娠中毒になったり血圧が上がったりして危険な状態になることも考えられます。
経済的に無理ですし、面倒を見る人もいません。それに、両親が反対するでしょう」
赤枝さんによると、安全を考えれば、小学生でも帝王切開で出産することはできる。
しかし、経済上などの理由から、人工妊娠中絶の手術を受けるべきだと指摘している。
厚生労働省の統計によると、14歳以下で出産したのは、2008年に38例があった。ただし、
赤枝さんによると、ほとんどは中学生ではないかというのだ。一方、中絶したのは、
同年度に347例が報告されている。つまり単純計算で10人中9人が中絶を選んでいるというわけだ。
統計上では、ここ数年は横ばいだが、赤枝さんは、中学生の出産は増えつつあると感じている。
小学生らが性非行に走る背景には、家庭環境が大きく影響しているようだ。
ブログの「女児」は、両親の帰りが遅く毎日けんかしており、その寂しさからデートに楽しみを見出すようになったという。
母親には、「まだ居たの?」と聞かれたり、話したくても父が帰ってこなかったりする悩みがつづられていた。
外食がちでもあったようで、「仲良しな家族ってものに憧れてたのかも知れないです」と書いている。
赤枝さんは、こう言う。「性の低年齢化やセックスが大事でなくなったことのほか、この女児のように、
家庭環境の問題は大きいでしょう。性行為におぼれる子は、自分に自信がなく、
彼氏の愛を引き留めるために、妊娠までしてしまうパターンが多いですね」(おわり)