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欧州きっての知日派で『日はまた昇る』の筆者ビル・エモット氏に、鳩山政権の経済運営に関する
評価を聞いた。アジア重視の鳩山外交に対する前回の前向きな見解からは一転して、今回は手厳しい
批判の言葉が相次いだ。
―あなたは、総選挙前のインタビューで、自民党から民主党への政権交代を機に、改革のモメンタムが
戻ることへの期待を語っていたが、発足から2か月を経た鳩山政権の経済運営に対して、どのような
評価を下しているのか。
率直に言って、変化のモメンタムをうんぬんする以前に、四方八方に発せられるバラバラなシグナル
に晒されて、鳩山政権が目指す経済運営の“ディレクション(方向性)”そのものを掴みかねている。
(10月26日に行われた)鳩山首相の所信表明演説には、既得権益を突き崩し所得の再配分を目指すと
いった評価できる点は確かにあるが、日本にとって長年の命題であるサービスセクターにおける規制緩和
の促進などの具体策はその後いくら待てども出てこない。「まだ2カ月目だから」という言い訳は、
目下の厳しい経済状況を考えれば、あまりに悠長すぎるというものだろう。
しかも、そうこうしているうちに、旧自民党政権の“オールドポリティクス”復活を思わせる出来事が
相次いでいる。あくまで現時点での評価だが、日本を長年見てきたアウトサイダーとして、今回は何かが
違うと思っていただけに、はっきり言って、残念な展開だ。
―オールドポリティクスを彷彿させる出来事とは具体的に何か。
たとえば、モラトリアム法案(11月20日に衆院で強行採決された、金融機関に借金の返済猶予を促す
「中小企業等金融円滑化法案」)であり、三井住友銀行出身の西川善文氏を事実上更迭し、元大蔵省
事務次官の斎藤次郎氏を後任に就けた日本郵政の社長人事に象徴される郵政改革の大転換だ。
(>>2以降に続く)
▽ダイヤモンドオンライン
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