09/11/25 16:34:11 0
(>>1のつづき)
こんな内需の不振を如実に映すのが銀行の貸し出し行動だ。日銀によると、10月の全国銀行の
貸出残高(月中平均)は前年同月比1.5%増と、増加率は10カ月続けて縮小した。亀井金融担当相が
「銀行が貸し出し機能を果たしていない」と批判するのはこれが背景にあるが、銀行には顧客の
資金需要が増えないという悩みもある。
頼みの輸出も先行きの不安は多い。世界の最大消費地である米国は失業保険の給付期間延長
などの措置を取ったうえで、法人税減税などを柱とする追加経済対策の検討に着手したとオバマ
大統領が表明した。米経済もなお財政依存から抜け切れず、民需主導の自律的な回復が軌道に
向かう状況には程遠い。米経済は過剰消費の是正という、中長期的に需要を下押ししかねない
構造問題も抱えたままだ。
日本の輸出は4~6月期、7~9月期と2・四半期続けて年率約28%増と大幅に伸びた。これに対し
日本総合研究所の枩村秀樹・主任研究員は「米経済に不安が残る以上、日本の輸出は足元の伸びを
維持できない」と指摘。日本経済は2010年度まで3年続けて実質でマイナス成長になると予測する。
財政規律を重視するエコノミストですら「日本は需要が圧倒的に足りず、政府の支出を急激に減らす
必要はない」(マネックスの村上氏)というように、政府の支出による景気の下支えが必要との認識が
一般的だ。だが、これに対峙する政府の対応は、迷走気味だ。
「予算を削れと言われながら、新たな予算も考えざるを得ない。『新たな』はまだ、省内で議論して
いるだけだが」。ある省庁の官僚はため息をつく。
行政刷新会議は11日、来年度予算の概算要求について事業ごとに必要性を議論する「事業仕分け」を
始めた。「ウチは半減」「こっちは全廃」と霞が関は蜂の巣をつついたような騒ぎだが、一方で菅直人・
副総理・国家戦略担当相は17日の閣議で2009年度2次補正予算案に追加経済対策を盛り込む
方針を示し、財政支出を増やすと表明した。(>>3-10につづく)