09/11/14 11:40:44 X/vEaiMFO
教科書の前書きから
多くの医療は本来、経験的に確立された科学的なエビデンスに基づかないものであった。
近代になって西洋医学は科学的な裏付けを探求するようになり、要素還元主義的な観念が浸透していった。
そのため、漢方は数千年の年月をかけた臨床実績の基盤に確立されたにもかかわらず、非科学的なもののように誤解されるようになった。
しかしながら要素還元主義は物理や化学などの理解において有用であるが、生物のような複雑系においては、必ずしも部分の総和が単純に全体を反映しない。
有効性を高め、副作用を回避するために、複数の生薬を組合せて創製された漢方薬は、要素還元主義的に解明することは困難であり、その点では「未科学」な医療といえる。
今後、漢方が医療としてさらなる発展を遂げるためには、漢方薬の有効性・安全性に関するエビデンスを探求すると同時に、漢方の根幹をなす証について広く理解してもらう必要がある。