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★F15戦闘機 嘉手納の半数、三沢移転 F16撤収、米が打診 対中即応力は低減
米政府が米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に展開するF15戦闘機の半数を米軍三沢基地
(青森県三沢市)に移転させる構想を日本側に打診していることが10日、分かった。三沢基地に
配備されている約40機のF16戦闘機はすべて米国に撤収する。構想は来年2月に米政府が
まとめる「4年ごとの国防戦略見直し(QDR)」で検討されており、極東地域の安全保障環境
に大きな影響を与える可能性がある。
構想は、嘉手納基地については現在48機配備しているF15を24機とし、残り24機を三沢
基地に移す。今回の提案では、三沢基地から常駐の米戦闘機がなくなることへの懸念を払拭
(ふっしょく)するため、嘉手納基地のF15部隊の半数を回すとしたが、北朝鮮情勢を
にらんだ両基地の米空軍戦力はほぼ半減となる。
政府内には嘉手納基地のF15が半減された場合、岡田克也外相らが模索する米軍普天間飛行場
(沖縄県宜野湾市)の嘉手納基地統合案を後押しするとの見方もある。ただ、米軍は嘉手納基地の
F15を減らしても、空軍戦闘機と海兵隊のヘリの同時運用は飛行高度が異なるなど困難なことから、
普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊の移転には応じないものとみられる。
F15のみに限れば、北朝鮮への飛行距離は三沢、嘉手納両基地で大差はないものの、南方で
海軍力強化を進める中国軍への即応能力は大幅に低下する。このため、嘉手納基地について米側が、
航空自衛隊のF15部隊との共同使用などを求めてくる可能性もある。
米軍は現在、米軍の配備をアフガンに振り向け、極東などでの戦力削減を進める流れにある。
ただ、米軍内には嘉手納基地のF15削減について、「中国に誤ったメッセージを送る」との慎重論もある。
【用語解説】F15戦闘機
米空軍F4戦闘機の後継機として開発された第4世代の戦闘機。愛称は「イーグル」。
長距離射程の空対空ミサイルと高性能レーダーを装備。日本やイスラエルなど米国の同盟国、
友好国にも主力戦闘機として配備されている。
2009.11.11 08:53 産経新聞
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