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実験室で培養された組織から、完全に機能する代替ペニスが作られた。今回作られたのは
ウサギのペニスだが、この技術はいつの日か人間の役に立つことだろう。Atala教授は「この
技術は、ペニスの再生を必要としている患者のために相当の可能性をもっている」と言う
Atala教授は、器官から細胞を取り出し、コラーゲンでできたフレームに噴霧する技術の開発
で知られている(コラーゲンは、動物の組織を構成する主成分のタンパク質だ)。フレームは
その後、成長を刺激する化合物に浸され、体温と体の化学組成を再現した保温庫に入れられる。
こうして最初の条件を整えたら、あとは自然の生物学がやってくれる。細胞が分裂し、機能する
自然な構成に落ち着いていくのだ。
Atala教授の研究チームはすでに、患者本人の組織から実験室で作られた膀胱の移植を7例行なっ
ている。同チームが体の各部を基に作ってきた器官や組織は20種類を超えるが、器官の中には、
最初に準備するべきさまざまな細胞の適切な組み合わせを見つけるのが困難で、器官再生が難しい
ものもある。ペニスはそんな器官の1つだ。
これまでの研究では、ペニスの各海綿体について培養が行なわれてきた(海綿体は陰茎に沿って
通っており、さまざまなタイプの細胞が複雑に組み合わさってスポンジ状になっている)。しかし、
できた組織を海綿体が取り除かれたウサギに移植しても、勃起は起きなかった。
今回の研究では、さまざまに組み合わせた成長因子を使って、海綿体の一部ではなく全体の培養
が行なわれた。そしてこれでうまくいった。できたペニスは電気刺激と化学刺激に通常の反応を
みせ、さらに重要なことだが、生物学上の命令にも反応した。交尾の機会を与えると、8例が射精し,
4例で子供ができたのだ。奇妙なことに、処置されたウサギは通常のウサギよりも好色だったようだ。
研究チームは、「対照群のウサギは大半が、メスウサギを与えられても交尾を試みなかった」が、
「バイオ工学でペニスを再生されたウサギは、メスウサギを与えられて1分以内にすべてが交尾を
試みた」と書いている。(抜粋)
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