09/11/10 00:25:30 0
今週はオバマ米大統領が日本に来る。今回は前回の初顔合わせほど和やかな雰囲気にはなるまい。
米軍の普天間基地移転問題の結論に達することは米国も期待してはいないだろうが、ずるずると
結論を先延ばしすることに対してはしっかりと釘を刺してくるだろう。
安全保障問題や外交問題では、民主党のドタバタぶりが目立つ。政権の座についたことがない政党
だから、これまでの経緯やら何やら初めて見たり聞いたりすることも多いのだろうと思う。知ら
なかったことも含めて官僚から説明を聞いているうちに、なるほどと納得しかかることもあるだろ
うし、あるいは官僚側が民主党のマニフェストと現実的な政策が矛盾しないような「こじつけ」を
ひねり出すということもあるように見える。
▼マニフェストからの方向転換が稚拙
不幸なことに、安全保障の問題では原理論的な議論が幅をきかせている。そもそも米軍基地などいら
ないのだから、普天間基地の県内移設などは論外、即刻廃止あるいは国外移設をすべきだというよう
な議論である。こういった論者とは、中国の軍事拡張路線の脅威にどう対応するのかというような
現実的な話は通じにくい。軍事力も軍事力を行使するのも絶対的な悪であるからだ。
民主党は、もちろんそれほどの原理論者ではないけれども、野党であるときには対米追従をキーワード
に、イラクへの自衛隊派遣、インド洋での給油活動、ソマリア沖の海賊対策での自衛艦派遣と何でも
反対してきた。普天間も同じである。そして民主党は、対米追従の代わりに国連中心主義をキーワード
として持ち出してくる。これはこれで問題はあると思うが、ひとまず置いておく。
しかしいったん政権の座についたとき、国際的な約束事はそう簡単に反故(ほご)したり、見直したり
できるものではない。問題は、それまでの主張と現実的な政策との整合性をどう取るのかということで
ある。その意味で鳩山政権の失敗は、マニフェストからの方向転換がいかにも稚拙であるということだ。
[藤田正美,Business Media 誠]
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