09/11/09 01:16:42 sxq87Hxk0
十数年前の話。夜八時ごろ西有田駅の真っ暗な待合室で、ぽつねんと汽車を待っていた。
10分程経ったころ、警備員のおじさんが「どどどどどうやって入ったですか?」と懐中電灯で照らしながら訊いてきた。
何故だか私には近づかない。「いや、普通に入口から入りましたよ」と説明しているうちに、
警備会社の車がやってきて同じことを訊かれた。どうやらカギのかけ忘れっぽい。知らずに汽車を待つのに私が入って、
警報機が発報したらしかった。お稽古ごとの風呂敷包みを膝に乗せてちんまり座っている私に、おじさんたちは
「お騒がせばしました」と恐縮し、お詫びにと車で家まで送ってくれた。
リアシートに、おじさんの夜食のカップラーメンがころんと転がっていた。