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【ブリュッセル=尾関航也】欧州連合(EU)は、2020年までの温室効果ガス排出削減目標を、
現在の「1990年比20%」から「同30%」に引き上げる計画について、年内は見送る方針を固めた。
EU議長国スウェーデン政府筋が31日、明らかにした。12月の気候変動枠組み
条約第15回締約国会議(COP15)では、日本の「90年比25%」が、主要国の中で最も高い
削減目標となる。
EUは、ほかの先進国が「同程度の削減義務を負う」条件で、目標を30%に引き上げると表明しており、
鳩山政権の25%削減目標を受けて、新目標を公約するか注目されていた。しかし、同筋は、
米国の中期目標が年内に固まる公算が乏しいことと、金融危機を背景に、EU内でも
「経済成長を優先すべきだ」との声が強まっていることを理由に、EUとしての決定を行う首脳会議で、
30%目標への移行を「当面は議題にできる状況でない」と認めた。
米国ではオバマ政権が排出削減に意欲的なものの、中期目標を盛り込んだ上院の温暖化法案が
年内に成立するのは難しい情勢だ。エネルギーの約9割を石炭に依存するポーランドなど東欧諸国は、
排出制限が不況下の産業を一層追い込んでいるとして急進的な排出削減を唱える英国や
北欧諸国と鋭く対立している。
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