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関門海峡で27日夜、海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国籍のコンテナ船「カリナスター」が
衝突した事故で、「くらま」の艦首部分に積んであった大量のペンキに引火し、激しく炎上した
疑いがあることが、防衛省や海上保安庁への取材でわかった。防衛省は出火の経緯などを
詳しく調べる。
事故は27日午後7時56分ごろ発生。「くらま」(艦長・柏原正俊1等海佐、5200トン、
乗組員297人)と「カリナスター」(7401トン、乗組員16人)が衝突し、双方が炎上した。
「くらま」の乗組員計6人が資材の運搬中に転倒したり、消火作業中に煙を吸い込んだりして負傷。
このうち4人が病院に運ばれたが、いずれも症状は軽いという。
「くらま」は艦首部分から激しく炎上し、28日午前6時半ごろようやく鎮火した。鎮火までに
約10時間半かかった。「カリナスター」は約40分後に鎮火した。
海上幕僚監部によると、「くらま」は艦首部分に船体や甲板を塗り直すためのペンキ缶やペンキを
塗ったはけなどを洗うためのシンナーを積んでいたとされる。海自の艦船や海保の巡視船などは
船体の腐食を防ぐためペンキを積んでおり、航海の途中や停泊時に乗組員らが塗装している。
「くらま」は25日に神奈川県の相模湾で実施された観艦式に参加。外遊中だった首相の臨時代理
として訓示した菅直人副総理ら要人が乗艦して部隊を視察した「観閲艦」だった。観閲艦になった
場合や指揮官の交代式などの前には、艦全体が塗り直される「全塗装」が実施されることが多く、
大量のペンキなどを積んでいた可能性があるという。
27日夜の防衛省の記者会見で、海自トップの赤星慶治海上幕僚長も火災の原因として
「衝突した付近にペンキ缶を保管している倉庫がある。火災の可能性として推測できる」などと話した。
艦首部分にはいかりを操作する機器の配線があり、ある海自幹部は「衝突の際、配線から出火した
可能性もある」と推測している。
URLリンク(www.asahi.com)
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