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首都圏の地上デジタル放送の電波塔として、東京都墨田区に建設中の「東京スカイツリー」が当初計画より
約２４メートル高い６３４メートルに決まった。中国・広州で造られているタワーを引き離し、自立式電波塔では
世界一に。ナンバーワンになろうと“奥の手”を使って背伸びした形だが、過熱する高さ競争に批判の声もある。
「６００メートル級」といわれていたスカイツリーの概要が発表されたのは、２００６年３月。まだ名称は決まっておらず、
「新東京タワー」と呼ばれていた。建設地を「墨田・台東エリア」とし、高さは約６１０メートルとされた。
当時の世界一はカナダ・トロントのＣＮタワーで５５３メートル。米シカゴでは６０９メートルの高層ビルが計画中だった。
中国は０５年、建物は４５０メートルだが、１６０メートルのアンテナを加えると６１０メートルになるテレビ塔建設を広州で
始めようとしていた。
こうした中で、スカイツリーの概要は発表された。スカイツリーには、設計や強度を変更したり、総事業費（６５０億円）を
見直したりしなくても、先端のアンテナ部分を長くして最高６４０メートルまで“背伸び”できる奥の手があった。
建設主体の東武スカイツリーが「６３４メートル」と発表をしたのは今月１６日。１２年春の開業に間に合わせるには
「日本の法令に基づく許認可を得る上でぎりぎりのタイミングだった」（広報担当）。今後仮に、広州が東京と同様に
上積みして逆転されれば、再逆転はできないという。
東武タワースカイツリーの宮杉欣也社長は「日本の技術を知ってもらうチャンス。一度は世界一を掲げたい」と話す。
東京経済大学の柴田徳衛名誉教授（都市問題）は「立派なタワーができて人が集まるのは良いが、すぐに追い越されるかも
しれない」と、競争のむなしさを指摘。（後略）
日刊スポーツ
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