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>>195
財団法人地方自治体研究機構編「自治体法務研究」(ぎょうせい) 2007年 NO.9
P.89より
<引用開始>
「私が最高裁判所で出合った事件 最終回 判例による法令の解釈と適用」
元最高裁判所判事 園部逸夫
(3)定住外国人の選挙権に関する訴訟
(平成7年2月28日第三小法廷判決、民集49巻2号639頁、解説(福岡右武)257頁)
この事件の判決は、3つの項目に分かれている。第一は、憲法93条は在留外国人に
選挙権を保障したものではないこと。第二は、在留外国人の永住者であって、その居住
する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至った者に対して、選挙権を
付与する措置を講ずることは憲法上禁止されていないが、それは国の立法政策に
かかわる事柄、措置を講じないからといって違憲の問題は生じないこと。
第三は、選挙権を日本国民たる住民に限るものとした地方自治体法11条、18条、
公職選挙法9条2項の規定は違憲ではないとの判断が示されたことである。
判例集は、第三の部分を判例とし、第一と第二は判例の先例法理を導くための理由付けに過ぎない。
第一、第二とも裁判官全員一致の理由であるが、先例法理ではない。第一を先例法理としたり
第二を傍論又は少数意見としたり、あるいは第二を重視したりするのは、主観的な批評に過ぎず、
判例の評価という点では、法の世界から離れた俗論である。
<引用終わり>