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>「予算教書」は、「トリクルダウンの哲学は完全に失墜した」と明記しています。
【赤旗】 主張 「国際競争力」論 破綻した口実にまだすがる
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大きく変わった世界
「国際競争力」論は財界が法人税減税を要求し、労働法制の規制緩和を求め、賃
下げを強行するために持ち出してきた口実です。政府・財界は“大企業が潤えば、
やがて中小企業や家計にも利益がしたたり落ちて(トリクルダウン)、経済全体が
良くなる”と主張してきました。
大企業優遇の「国際競争力」論は、今回の世界経済危機で破綻(はたん)に直面
しています。
オバマ米政権は、ブッシュ時代の「大企業・金持ち減税」でゆがんだ税制を転換
すると公約しました。今後10年間に120兆円の大企業・富裕層増税を実施し、
庶民の減税や医療改革をやろうと言っています。
オバマ大統領が2月に議会に提出した「予算教書」は、「トリクルダウンの哲学
は完全に失墜した」と明記しています。
EU(欧州連合)諸国も、これまでの「大企業・金持ち減税」路線の見直しを進
めています。
大企業が本国での課税を逃れるために国外に逃げ出すことについても、それを阻
止する国際課税の強化が各国の共通課題になっています。ドイツのメルケル政権は、
ケイマン諸島などのタックスヘイブン(租税回避地)を利用する課税逃れを厳しく
摘発し始めています。オバマ政権も5月、タックスヘイブンを利用した多国籍企業
の利益隠しへの課税強化(10年間で20兆円)を発表しました。