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(>>1のつづき)
一方、学校の経営方針には、「授業時間の数分前には教室に入るように」と明記した。対象はもちろん
教師だ。昔からの悪習を断ち切ろうとした。
それまで校長から注意もされず、「事なかれ」に慣れきっていた教師からは当然のように激しい抵抗が
起こった。
《バカ校長が学校を変えおる》《国歌を歌うように指導された》。インターネットの掲示板などに書き込まれた。
校舎の壁にスプレーで悪口を書かれたこともある。
組合教師の抵抗の実態を知らない保護者からもなかなか協力が得られなかった。しかし、中塩は
地道にやれる改革を進めた。「生徒が変われば、教師も変わらざるを得なくなる」
◆遅刻者激減
まず変わったのが生徒だった。遅刻者が激減した。今年4月は一日の遅刻者が0・3人。ほとんど
誰も遅刻をしなくなった。
校則違反の制服を着た生徒が減った。中退者は昨年は1人だけだった。国公立大学の合格者数も
二けたに伸びた。「生徒たちの行動が変われば、数字は後からついてくる」
6月中旬に行われた広島国際大学とのオープンキャンパスでは、2年生約160人が3日間、
大学生に混じって看護や情報工学などの講義を受けた。全国でも珍しい取り組みだった。
生徒たちに意欲が生まれ始めている。それに応えるように今では教師の7割が中塩の改革に
協力的だという。今年5月からは、教頭の机は職員室の一番前に設置された。ホワイトボードは
もうない。「これが当たり前のこと。まったく止まってしまい、さびついた歯車は動かすまでが大変。
しかし、抵抗されるほどやりがいもある。最初の一歩を踏み出すことが大切」(本文敬称略)
■広島の教育問題 卒業・入学式の国旗掲揚・国歌斉唱が行われない、道徳の時間がないなど
学習指導要領を逸脱した偏向教育や、校長の権限を束縛する念書を校長と教職員組合が
結ぶなど問題が次々明らかになり、旧文部省が平成10年に広島県教育委員会を是正指導した。
正常化に取り組む過程では11年に県立世羅高校校長が自殺する痛ましい事件が起きた。(以上、一部略)