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★社説:長妻厚労相 得意分野で状況突破を
子ども手当の財源確保に四苦八苦し、後期高齢者医療制度廃止を3年棚上げにするなど、
期待値が高いだけに苦戦を強いられている印象が強いのが長妻昭厚生労働相である。
反対していた日本年金機構も一転して来年1月に発足することになった。自公政権時代の
施策が足かせとなっている面はあるが、得意分野で状況を突破し、課題山積の社会保障
改革に取り組んでもらいたい。
民主党の公約は社会保険庁と国税庁を統合して「歳入庁」を新設することで、年金機構には
当初から反対だった。しかし、政権が発足した時点で、すでに民間からの採用内定者が
1078人もおり、移転先のオフィスも決まっていることから、苦渋の選択をせざるを得なかった。
社保庁は全国に300以上の出先機関があり、職員の大半が労働組合に加入している。
過去に年金記録を紙台帳からオンラインに切り替える際、職員が反発し「コンピューター入力は
1日5000タッチまで」「45分働いたら15分休憩」などの覚書を交わしてきたという。
そうしたツケが噴出したのが年金記録問題とも言われる。長妻厚労相は10年度予算に約
1800億円を投じて「年金記録対応チーム」を発足させ、膨大な全件記録の照合作業に
当たらせるという。たしかに国民の信頼がなければ年金制度は成り立たず、「消えた年金」
などの解明は不可欠だ。しかし、負の遺産の清算にかける時間と労力(予算)に余裕がない
ことも国民に理解を求めるべきではないか。>>2へ続く
毎日新聞 2009年10月19日 0時25分
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