09/10/19 09:06:03 UoxLCoQ1P
>>616
第三の分水嶺は、日露戦争後の対米関係。
ロシアを追い払って満州の鉄道利権を得た日本に、米国の鉄道王ハリマンが
かねてより構想していた世界一周路線構築計画のため、鉄道の権利を売ってくれと
申し入れてきた。
莫大な戦費を費やした日露戦後、日本政府の国庫はカラッポであったためこの計画は
渡りに船で、売却の話がまとまりかけた。ところがポーツマス条約の日本側全権であった
小村寿太郎が帰国前にその話を聞いて激怒し、絶対にやめさせてやると憤激して帰国、
八方に運動してこの話を潰してしまった。
この一件は、日露戦争で日本の戦勝を称える一方で、日本を油断ならない仮想敵国として
認知し始めた米国の、中国市場での利権追求の動きを粉砕する結果となった。
小村は「日本兵の血で獲得した満州鉄道を、米国人などに渡せるものか」としてそのように
し、国民も小村の奮闘に喝采したのだが、この行為は米国に「日本人は満州、ひいては中国を
独り占めするつもりだ」との著しい不快感を与えることになる。要約すると
満鉄売却賛成派=今日本はド貧乏だし、満州を日本一国で経営するとなるとさらに金がかかる。
米国その他からの妬みも受ける。それよりは、あえて満鉄を売ることで悪化
しつつある米国の対日感情を好転させるのが得策。そうすれば後々米国と
連合して日米英同盟が結べ、日本の安全保障はさらに楽になる。
満鉄売却反対派=日本兵の血で購った満鉄を売却することは、やがて満州そのものを米国に
奪われる未来に繋がる。そうなったら、満州の地下に眠る同胞の御霊に対して
何と言い訳するのか。戦争で得た果実は、糸くず一本たりとも渡してはならない。
この件が、後の日米対立の激化と大東亜戦争の勃発を招く要因となった。