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・東京海洋大学の講義室に、天皇陛下はにこやかな表情で入ってきた。すると、アップで
映し出されたのが、さかなクン。なんと、ネクタイにスーツ姿で席に座っている。トレードマークの
帽子はしていたが、いつもの白衣姿ではなかった。そして、目を輝かせながら、陛下の入ってくる
方向に顔を向けた…。
これは、フジテレビ系のニュースで流れた10月11日の魚類学会年会のシーンだ。陛下は、ハゼの
研究者として知られ、この日は、学会の会員として3年ぶりに出席された。一方、さかなクンは、
09年から新学会員となり、初めての出席だった。
同じく魚類に通じたさかなクンと陛下との遭遇は、ネットユーザーにも新鮮な驚きを与えたらしい。
実は、さかなクン、2006年10月10日の「魚魚(とと)の日」から同大の客員准教授をしている。
そして、その肩書きで同12月2日に朝日新聞に掲載したコラムが、陛下との遭遇の一件で再び
脚光を浴びているのだ。
コラムのタイトルは、「いじめられている君へ 広い海へ出てみよう」。
そこで、さかなクンは、中学1年のとき、吹奏楽部で一緒だった友人にだれも口をきかなくなったこと、
いばっていた先輩が3年になったとたん無視されたことを振り返る。そして、こうしたいじめは、
魚の世界と似ているというのだ。
「たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽に一緒に入れたら、1匹を
仲間はずれにして攻撃し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。
すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます」
さかなクンは、こうした体験を踏まえ、いじめが起こる小さな世界に閉じこもることなく、広い空の下、
広い海へ出てみることを呼びかけている。(抜粋)
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