09/10/14 16:47:31 S4EdNo2r0
世界大恐慌の教訓の一つは、悪いアイディアの破壊力を決して過小評価すべきではないということだ。
そして、世界大恐慌の原因となった悪いアイディアの一部は、嘆かわしいことに、余りにも持続的だということが判明している。
こうしたアイディアは、形を変えて、現在でも経済の議論に影響を及ぼし続けているのだ。
如何なるアイディアのことを私は話題にしているのだろうか?
経済史学者のピーター・テミン氏は、世界大恐慌の主たる原因は彼が呼ぶところの「金本位な考え方」だったと主張している。
この表現で彼が意図しているのは、単に一国の通貨において金の価値を維持することが聖域のように重要だと見なす考え方だけではない。
これに関連する一連の姿勢についてもその概念に含まれているのだ。
つまり、デフレに直面しながらもインフレに対して強迫観念に取り付かれたような不安を抱くこと。
経済にとっての必要性が極めて高い状況であっても、やや堕落的だという理由で金融緩和に反対すること。
政府に雇用創出の能力がありながらも、これは「人工的な」景気回復でしかないという理由から、
政府は雇用を創出すべきではないと主張すること、などである。