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(>>1のつづき)
実際の江畑氏は、どうだったのか。妻の裕美子さんは、取材に対し、自民寄りとの指摘について
次のように語る。
「主人に思想はあったと思いますが、まったくどちら寄りということはないですね。政府の委員を
引き受けますので、中立でないといけません。委員会では自民党の政治家の方とも親しくして
いましたが、主人は政治家があまり好きでなく付き合いを避けていた方なんです。ブレーンに
なるなど政治に首を突っ込んだこともありません。仕事でも、中立的な解説を心がけていました」
また、現場を知らないとの指摘については、こう反論する。
「若いころは海外に取材に出かけていましたが、ここ数年は体調が思わしくなく、出られませんでした。
しかし、そうしない方が、外から客観的に見ることができますし、情報も入りやすくなります。主人は、
ジャーナリストと申しておらず、評論家として客観的に分析するのが仕事でした。理工学部出身なので、
飛行機の性能などメカニックな形の評論を得意としていたわけです」
一方、専門家には、首藤氏の議論にも理解を示す向きがある。
軍事評論家の田岡俊次氏は、こうコメントを寄せている。
「江畑氏は本来、政治色がなく、技術的に精密でデータの豊富な記事を書かれ、感服することも
多かった。ただ、首藤代議士のような中東・アフガニスタン問題の専門家から見れば、米国の
アフガン戦争、イラク戦争などに関する江畑氏の論評には得心のいかない点が少なくなかったのも
うなずける。首都を取ったから戦争はアメリカの勝利で、その後、治安維持に苦労した、という
江畑氏の論評には私も首を傾げた。戦争は総合的なもので、首都を取っても負けた例は多い。
江畑氏は晩年、外務省等の政府の委員を委嘱されることが多かったためか、『米軍再編』などの
著書もよく調べてはあるのだが、沖縄などの基地返還の可能性について否定的結論が多く、実際には
米側がその後返還を申し出たため、食い違いが表面化したこともある。江畑氏の記事、論評はあくまで
理科的であり、社会科的(歴史、民族性、政治、経済など)な観点で戦争を見る首藤代議士は不満
だったのだろう。実際には、理科、社会の両面からの観察が必要なのだ」(以上、抜粋)