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八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)を巡り、朝日新聞社は、同町の水没予定5地区の住民に
アンケートを実施し、215人から回答を得た。建設中止に「反対」が7割弱に上った。
地元住民の代表は前原国交相との意見交換会への出席を拒否したが、アンケートでは4割が
「会って話をしたい」と回答した。
アンケートは今月5~10日、移転対象の9割が集中する長野原町の5地区(川原湯、川原畑、
横壁、林、長野原=約500世帯、約1400人)で実施。記者が訪問して面談する形式で185世帯の
215人から回答を得た。
ダム建設中止への賛否では、「反対」は7割弱、「どちらでもない」が2割強、「賛成」は1割弱だった。
「反対」の理由(自由回答)で目立つのは「ここまで来て中止では、自分たちの苦労が報われない」
「ダムが完成しないと生活設計が狂う」など。「どちらでもない」では、「生活再建さえしてくれるなら、
ダム自体はどちらでもいい」という意見が多かった。賛成の理由は「故郷の姿が守られる」などだった。
5地区の住民代表は、地元の意見を聞く前に前原国交相が中止を表明したことに反発し、
先月の意見交換会への参加を拒否した。しかし、「会って話をしたいか」との問いには「話したくない」
が5割、「話したい」が4割弱とほぼ二分された。「中止ありきでは会っても仕方がない」「生活再建策を
持ってくるべきだった」という批判の一方で、「住民の思いを伝えたい」「生活再建策の内容を聞くため、
話し合いの場は持つべきだ」とする意見があがった。
賛否にかかわらず国への要望を尋ねたところ、「生活再建・地域振興」を重視した人が約4割いた。
前原国交相はダム建設を中止する場合、生活再建への補償を明確にする新法を制定し、
道路や代替居住地の整備を継続する方針を示している。しかし、現時点では具体策は明らかに
なっておらず、住民の理解も得られていないようだ。
URLリンク(www.asahi.com)
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