09/10/12 10:01:16 A/yMyTpu0
昔書き込んだが、もう一度体験を書く。
ある夜、救急外来に男が来た。片方の顔を歪めて顔面神経痛で生活保護だという。
車で2時間ほどの都市部に住んでおり、そこのの病院に通院しているのだが、今日は電車に乗っているうち痛みが耐えられなくなり
飛び降りてその病院の救急外来に来たのだと。
俺でも知ってる大学病院の麻酔科教授の、ヨレヨレになった紹介状を持っており、それによるとこの男の痛みは
レペタン（強力な鎮痛剤、麻薬扱いで鍵のかかった棚に保存することが義務付けられている）を使ってくれと。
当時俺も若かった。ああそうですかとその通りに使ってその男を帰した。住所が遠いしそれで縁は切れるとも思った。
ところがその男は翌日もやってきた。
あなたを主治医にしたい。ついてはタクシーで通院するから書類を書いてくれと。
自分は痛みの専門家ではない、神経内科とか麻酔科とかそういう病院を探してくれと説明して断ろうとしたがしつこい。
本当なのか嘘なのか顔をいっそう歪めて困ったような顔をしておだてたりすごんだり。
計算するとタクシー代は一月で100万を超えるはずだった。
これは面倒なことになると直感した俺は
「じゃあ市役所の担当に電話で問い合わせますよ。担当者の名前は？」と話を向けたらあっという間に消えた。
多分タクシー代を支給するだけじゃない。それだったら本人の時間のロスも馬鹿にならないはずだ。
実質的な利益が出るからこういうことをやってるんだよ。