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【中川昭一氏死去】追悼 見果てぬ「青嵐会」の夢
中川昭一氏は眠るように棺に横たわっていた。2月の“酩酊(めいてい)”会見で
財務相を辞め、先の衆院選に落選しただけに悔悟の念に苛まされたのではないか。
苦悶の表情を残して逝ってしまったのではないか。そう胸を痛めていたことが
恥ずかしくなるほど、その表情は安らかだった。
最後に中川氏と会ったのは衆院選3日後の9月2日だった。午後6時過ぎなのに
フラフラの足取りで現れたので、つい声を荒げてしまった。
「酒はやめたんじゃなかったのか。あなたが財務相を辞めた時、麻生太郎首相は
泣いていたんですよ」
中川氏はシュンとして「すまん、ホントにすまん」と言いながら半時間ほどで帰って
いった。あれが今生の別れとなるとは。なぜもっと励ましてあげられなかったのか。
悔やまれてならない。
中川氏は「うわばみ」と思われてきたが、私が知る素顔はまったく違う。恐ろしいほど
真面目で礼儀正しく、冷たいお茶を傍らにチビリチビリと酒を飲みながら、政治、外交、
環境、文学、そして人生について大いに語らう。興味のある話にはメモを取りながら
熱心に聞き入り、つまらないジョークを言ってはバツが悪そうに照れ笑いする。少年が
そのまま大きくなったような人だった。
ただ、腰に椎間板ヘルニアという“爆弾”を抱えていた。痛みに耐えきれず、強い
鎮痛剤、精神安定剤、そして睡眠薬を飲む。そんな状態で酒をわずかに飲むと
意識がぶっ飛ぶ。この悪循環を繰り返していた。例の酩酊会見も「ワインを口に
含んだだけ」と言うのは決して偽りではなかっただろう。
「政治家を続けたいなら渡米して手術するべきだ」と迫ったことがある。神妙な表情で
聞いていたが、「だって怖いだろ…」と首を縦に振らなかった。(以下略、元記事で)
産経新聞(石橋文登) 2009.10.8 21:35
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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