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◇外貨準備:政府が米金融2社救済案 08年8月に支援検討
米政府系住宅金融機関2社が経営危機を迎えていた08年8月下旬、
日本政府が外貨準備を使って両社の支援を検討していたことが5日、
関係者への取材で分かった。
入札不調に終わる懸念があった2社の社債数兆円を、日本政府が買い支える計画だった。
世界的な金融危機に陥る瀬戸際とはいえ、公的資金で外国の金融機関を救おうとしたことは
極めて異例で、経済的に密接不可分な日米関係の特殊性を明らかにする事実といえる。
金融機関2社は、社債で調達した資金で金融機関から住宅ローンを買い取り、
証券化商品に組み替えて投資家に販売しているフレディマックとファニーメイ。
両社が発行した住宅ローン担保証券の残高は約6兆ドル(約540兆円)と米国の
住宅ローン残高の半分を占め、世界の金融機関も広く保有していた。
両社が経営破綻(はたん)すれば、日本を含めた世界の金融システムに
深刻な影響を与えることは確実だった。
日本政府では、限られた財務省幹部が米財務省と緊密な連携をとりながら、
外貨準備から数兆円を拠出して両社の社債を購入する救済策「レスキュー・オペレーション
(救済作戦)」という名の計画を立案。通常は非公表の外貨準備の運用内容をあえて公表し、
日本の支援姿勢を打ち出して両社の経営に対する不安をぬぐい去ることも検討した。
しかし当時の伊吹文明財務相が慎重論を主張し、9月1日の福田康夫内閣の退陣表明で
政府が機能不全に陥ったため、実現しなかったという。米政府は9月7日、公的資金を投入して
両社を国有化し救済したが、同月15日には米リーマン・ブラザーズが破綻し、
結局、金融危機の深刻化は防げなかった。
伊吹元財務相は毎日新聞の取材に「大臣決裁の段階にはなかった。しかし、
米国の経済危機が目前に迫る中、日本の外貨準備で損失が出かねない資産を
購入すべきでないという当たり前の判断だ」と述べた。(一部省略)
ソース:毎日新聞
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