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エコブームを追い風に普及する「風力発電」や、空気中の熱を利用して湯を沸かす
省エネタイプの「家庭用給湯器」。環境にやさしいはずの機器から「低周波音」が
出ているとして、不調を訴える人が相次ぎ、環境省が調査に乗り出す。
静岡県東伊豆町。相模湾を望む山腹に住宅が立ち並び、谷を隔てた隣の尾根に
10基の白い風車が立つ。支柱の高さは65メートル、羽根の直径は77メートル。
巨大な風車群は町のシンボルだが、住民の川澄透さん(79)は「試運転が始まってから、
船酔いのような症状が出て、夜中に何度も目が覚めるようになった」と憤る。
近隣の30人ほどが同じような体調不良に悩むという。
所変わって東京・板橋区の女性会社員(39)宅。庭の向こうに隣家の給湯器が見える。
エアコンの室外機に似た小ぶりな姿だが、「あれが動き始めると、頭の中が小刻みに
震えるんです」と女性は訴える。
川澄さんは、低周波音が原因で同じような症状を訴える人がいることを、医師から聞いて知った。
1秒間に空気が振動する回数をヘルツと言い、1~80ヘルツの音波を低周波音と呼ぶ。
高速で走る車の窓を開けた時に聞こえる「ボボボッ」という音が典型的だが、周波数が
低くなると、人の耳には聞こえない。環境省によると、低周波音に関する苦情は
1990年代まで全国で年間40件前後だったが、2000年度は115件、07年度は181件に
増えている。工場や建設工事の騒音は騒音規制法で音量の基準が定められ、
違反すれば罰則もあるが、低周波音には規制がない。「感じ方に個人差があるため」と
環境省。同省によれば、低周波音が人に苦痛を与える原因も、苦情が増えている理由も
分かっていないという。
こうした声や苦情の増加を受け、環境省は今年度から愛媛、愛知両県の風車の周辺で、
低周波音と住民の健康状態の因果関係を調べることを決めた。冬場の風の強い時期に、
風車からの低周波音を測定し、住民の声を聞き取る方針だ。(一部省略)
ソース:読売新聞
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画像:林立する風車
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