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余録:理系首相
即席ラーメンのストックが無くなり、めん中毒の隊長がすこぶるご機嫌斜めだ。このままでは男8人の集団は内部分裂しかねない。
残っていた小麦粉でラーメン玉を打とうと料理人が試みた。しかし、鹹水(かんすい)がない。「化学的にはベーキングパウダーで代用できるのでは?」。このヒントが危機を救った▲
南極大陸「ドームふじ基地」。平均気温氷点下54度の過酷な条件下で越冬する男たちの姿をコミカルに描いた映画「南極料理人」(沖田修一監督)にそんな場面があった。
代用鹹水のアイデアが浮かんだのは、観測隊が基本的には理系集団だからだろう▲
映画のモデルたちから先立つこと約40年。1957年に第1次越冬隊を率いた西堀栄三郎隊長も一流のエンジニアだった。ユニークな発言が多く、「西堀かるた」なる語録も残る。
その一つが「忍術でも、ええで」。「君の仕事は電気を起こすことだぞ、方法は君の好きなようにやれよ、忍術でやってもかまわないぜ」▲
発電担当者に西堀隊長が与えた言葉だという。明確な目標を与え、あとは本人の創意にすべて委ねる。そうすればプライドの高い専門家集団は、120%の能力を発揮する。
西堀流リーダーシップである▲
鳩山「理系」首相の専門はオペレーションズ・リサーチ。もろもろの条件を考慮し、最適な問題解決を数学的に探る学問だ。統計学的な品質管理の専門家だった西堀隊長とも相通じる▲
温室効果ガスの25%削減など、理系首相が掲げた目標は高く険しい。「かくかくしかじかこれこれの理由で達成は困難であります」。誇り高き官僚たちが抵抗するようなら、こう言ってはどうか。「忍術でもいいのだぞ」