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・前原誠司国交相(47)が就任早々、3つの試練にさらされている。
民主党が総選挙マニフェスト(政権公約)に掲げた「八ツ場ダム建設中止」をはじめ、「日本航空再建」
「高速道路無料化」だ。うまく着地をさせられれば「ポスト鳩山」に躍り出ることも可能だが、八ツ場ダム
問題では住民側を激怒させた。かつて、「偽メール問題」で代表の座を追われたこともある前原氏。
果たして「三重苦」を乗り切ることができるのか。
「配慮に欠けていた面があったことをおわびしたい。ただ、誠に申し訳ないが、白紙に戻すつもりはない」
前原氏はシルバーウイーク最終日の23日、八ツ場ダム建設予定地(群馬県長野原町)を視察した。
一方的な中止表明については陳謝したが、建設中止の意向を改めて強調した。
1952年に建設計画が浮上した八ツ場ダム。ダム本体工事は未着工のままだが、総事業費は
当初予算の2倍以上という4600億円まで膨張した。民主党は「時代に合わない大型公共事業」と
して、マニフェストに建設中止を盛り込み、前原氏も大臣就任直後に中止を明言していた。
これに対し、国に振り回された格好となった地元住民らは「中止ありきでは話し合えない」と
猛反発し、前原氏との会合をボイコット。さらに、事業費を負担している6都県の知事らも
「代替案の開示がなく、極めて無責任」(埼玉県の上田清司知事)と批判を強めており、
調整難航は必至となっている。
前原氏は62年、京都市生まれ。中学2年で父親を亡くし、奨学金を受けながら87年に京大
法学部を卒業。松下政経塾で学び、91年に28歳で京都府議となり、93年に日本新党から
衆院議員に初当選した。
民主党中堅のホープ的存在で「凌雲会=前原グループ」(約30人)を率いる。2005年9月の
代表選では、菅直人氏を破って新代表に。「永田町の郷ひろみ」などと話題となったが、翌06年の
通常国会で「偽メール問題」で党を存亡の危機に立たせ、同年3月に代表を辞任した。(>>2-10につづく)
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