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診療報酬詐欺、旧厚生省ＯＢの理事長に実刑URLﾘﾝｸ(www.yomiuri.co.jp)
横浜市泉区の美容外科「菅谷クリニック」（閉院）の診療報酬不正請求事件で、
詐欺罪に問われた医療法人社団「天道会」理事長・菅谷良男被告（５９）の判決が２４日、横浜地裁であった。
吉田勝栄裁判官は「診療報酬の実務に精通した知識を悪用した医師としての職業倫理にもとる犯行」と述べ、
懲役２年（求刑・懲役４年）の実刑判決を言い渡した。菅谷被告は判決を不服として即日控訴した。
判決によると、菅谷被告は２００２年～０６年、入れ墨の除去の患者６人に、自費診療のレーザー照射を行って治療費を受け取ったにもかかわらず、
うその病名を付けて治療手術を行ったように装い、神奈川県社会保険診療報酬支払基金から計約２８０万円をだまし取ったとされる。
菅谷被告は「適切な手術による診療報酬を請求したに過ぎない」として無罪を求めていた。
吉田裁判官は判決で、「菅谷被告の請求に対する指導や監査が有効に機能していれば、犯行の多くを未然に防止することができた」と指摘し、
社会保険事務所や同基金の対応の問題点についても言及した。
診療報酬の不正請求は後を絶たない。厚生労働省の統計資料では、
２００７年度に不正請求が疑われ、同省から指導を受けたケースは３２６４件に上った。
菅谷被告は旧厚生省ＯＢで、１９８７年秋から約半年間、保険請求の適正化指導を担当していた。
制度を知り尽くした菅谷被告の犯行に、厚生労働省保険局の担当職員は「絶対に許すことはできない」と憤りを隠さない。
菅谷被告はこの日、開廷の１時間近く前に横浜地裁に到着し、待合室で弁護人らと入念に打ち合わせを行ってから入廷した。