09/09/21 18:46:26 L1WUVOJY0
返済猶予は効果が薄いだけじゃなく弊害が大きい。
中でも最大の弊害は、金融機関のキャッシュフローを減少させること。
これは金融機関の利益云々の話ではなくて、日々動く資金量が減少するということ。
大まかに言うと、日本の金融機関はメガバンクがマネーポジションで、地方銀行などが
ローンポジション、つまりメガバンクが地銀等に日々の資金を借りているということ。
いわゆるオーバーナイトといって、翌日の朝10時に返す金で、ここの金利が今の政策金利になっている。
中小企業の債務返済が猶予されると、まず一番影響を受けるのが地方の金融機関。
本来確実に入ってくる資金が入らなくなるので、資金繰りがタイトになる。
つまりメガバンクに一晩だけ貸すコールローンの金が目減りする。
すると、メガバンクが調達する資金の絶対量が減るため、短期金利が上昇する。
もちろん日々の運転資金が必要なのはメガバンクだけでなく、地方の中小金融機関も同じ。
資金の出し手が多いという地方銀行も、公金などの動向で資金調達が必要な時もある。
そんな時、スムーズに資金調達が出来なければ経営が不安定になる。
また、資金の減少は運転資金だけでなく運用資金の減少にもつながる。
この不況下、貸出先に困った銀行が余剰資金を運用していた先が国債。
しかし、資金が減少すると国債需要も減少し、国債価格の下落=長期金利上昇が起こる。
こうして資金の減少により短期・長期の金利が上昇するという不況下において
考えたくないシナリオが現実化するという可能性もある。