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第270回国際人権規約連続学習会
世界人権宣言大阪連絡会議ニュース283号より
戸籍の何が問題なのか 二宮周平(立命館大学法科大学院教授)
戸籍の問題点は二つあります。まず一つは家族単位の編製である点です。
戸籍とは単なる証明の手段に過ぎないにもかかわらず、戸籍が同じだから
家族であって、戸籍筆頭者はその集団の統率者であるかのような家族観を
社会に定着させるのに大きく影響してきました。その結果、戸籍に記載
されない子、氏の変更が認められない子を生む場合があります。例えば
夫婦間の離婚紛争の激化を恐れて婚外子の出生届を出さないケースが
あります。また母が未婚の場合はその婚外子を母の戸籍に記載し、父が
認知した後に父の氏に変更して父の戸籍に入籍させることができるの
ですが、父の本妻や婚内子が反対した場合、家裁は氏の変更を認めない
こともあります。このように家意識への影響だけではなく、戸籍は
婚外子にとっての抑圧の原因になっているのです。
もう一つの問題はプライバシーの侵害です。最近も行政書士による戸籍
謄本不正取得が発覚していますが、こういった事件が跡を絶ちません。
戸籍は公開の原則がとられているので、一定の手続きを踏めば他人の
戸籍謄本等を得ることができ、それによって差別、身元調査などの
プライバシー侵害が行われます。このシステムには大きな問題があると
いえます。実はこれら問題は戸籍制度の沿革に起因しています。
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