09/09/18 01:50:59 5zu6jw3P0
円高・・・自国通貨が外国通貨より強い状態
だが、これ自体には実は何の意味も無い。通貨価値が上がったから、
日本の資産価値が上がったように見えるというレベルの話で、
「では資産価値とは何か?」と問われた場合、やはりその国で
行われている経済活動について語らざるを得なくなるだろう。
なぜならば、貴金属や宝石類を集めても、結局買う人がいなければ、
「ただの石ころ」になってしまうからだ。
では円高になると経済活動はどうなるのか?これはこう考えれば
わかりやすい。もし、原油価格が安定して、金の価格がほぼ横ばいで、
食料も十分にあれば、国際的に見てインフレ率は極めて安定している。
ところが円高になれば、その物価に対して通貨の価値がどんどん重くなる。
つまり、デフレになる。
さて、問題なのは物価を構成するコストを見たとき、その大部分を
占めている人件費に注目する。すると、人件費は自国通貨で支払われる
ため、自国通貨高は国際的に見て賃金上昇と同じ効果をもたらす。
一見、いいように見える。(これが円高崇拝者たちの論拠)
だが、円高は事業サイドから見た場合、人件費高騰を意味するので、
抑制するインセンティブが働くことになる。つまり、「賃下げ」
「解雇(派遣切りを含む)」「工場移転」などを行って利益確保を
行おうとするわけだ。ここだけを見ると「単に輸出産業が利益が
でないだけで、GDP費2割弱だから大したこと無い」ように
「見える」 かもしれない。残念ながらそうではない。よく見て欲しいのは、
円高は全ての賃金コストに対して有効である
という事実である。つまり、外需産業と呼ばれる輸出で儲けいる会社
だけではなく、国内産業(観光、医療、保守、介護・・・)すべてに
対してコストがかかってしまうということである。