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・不景気で失業して生活保護費の支給を申請した静岡県袋井市の日系ブラジル人に対し、市が、
国の帰国支援制度を利用するとの誓約書を書かせていたことが分かった。今回の市の対応は帰国を
促す措置だ。毎日新聞の取材を受けた市は「生活保護の支給と帰国支援は別もの。日本で生活したいと
いう本人の意思を踏みにじる行為」と誤りを認め、誓約書の撤回と本人への謝罪を約束した。
誓約書を書かされたのは、息子(5)と2人で暮らす日系ブラジル人3世の20代の女性。約10年前に
来日し、7月中旬に携帯電話の組み立て工場を解雇され、8月31日に同市へ生活保護の支給を申請した。
女性や市によると、申請の際、女性は職員から「(日系人離職者に対する)帰国支援事業の手続きも
行うと約束しなければ、生活保護の申請は受け付けられない」と言われた。女性は「まだ日本で仕事が
したい」と訴えたが、職員は「あなたは運転免許もないし、日本語も話せないので、100%仕事は
見つからない。(帰国支援金の)30万円をもらって帰ったほうがいい」と主張した。女性は生活保護を
申請するとともに、職員から渡されたA4判の白い紙に「帰国支援の手続きをする」などとポルトガル語で
書いてサインしたうえ、右人さし指で指印を押したという。
取材に対し、市しあわせ推進課は当初、「生活保護の支給については、年金や諸手当など他の方法で
受給できるものがあれば優先するという国からの通達(生活保護の「他法他施策の活用」)があり、
帰国支援事業の利用はそれに該当する」と説明。その後、「生活保護は日本で困窮しながら暮らす人が
対象で、帰国支援金を他法他施策の活用に当たるとするのは、通達の誤った解釈だった」と回答した。
女性は「ブラジルにいるのは、年老いた両親と病気の妹。帰っても働く余裕はなく、日本で働くしかないのに、
誓約書まで書かされるとは」と話した。
◇日系人離職者に対する帰国支援事業
当初、国は支援金の目的外使用を防ぐため、支援金受給者は「当分の間」再入国を認めないとしていたが
日系人らから「もう来るなということか」との批判を受け、「3年をめどとする」ことを明らかにした(抜粋)
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