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カイロには,日本人旅行者がよく泊まる安宿があって,そこには充実した情報ノートが置いてある。
ページを繰ってみると,そのなかにはたくさんの“ピラミッド登頂記”があって,登頂の様子を知ることができる。
ピラミッドに登るのは違法行為だから,もちろん見つかれば捕まる。だから登頂を試みる人々は夜中の3時ごろ
出発して暗闇に紛れて登り,ピラミッドの上で日の出を待つのが一般的だ。
そんな時間にチケット売り場は開いていないから,チケットを買わずに敷地内に“侵入”することになり,
“ピラミッド登頂”とあわせて二重の違法行為をしていることになる。 登頂挑戦者はまず情報ノートで入念に
ルートを検討することから始める。警官に見つかりにくいルートというのがあるようだ。そして出発。
「我々は中央突破をはかりました。(中略)4,5段登ったところで遂にポリスに見つかり,まずAさんが
捕まり,Bさんも……(中略)ここまでくればもう安心だと思い一息ついたところ人の頭が見え,よく見ると制服を
きたポリスではありませんか。休む間もなくまた登り,頂上付近になっても追いかけてきます(後略)」
(情報ノート98年7月10日)
「私見だが,ピラミッド登頂は警備の網をくぐり抜けるところに,警官に追いかけられるスリルに,警官との
だまし合いに,その喜びが少なからずある,と思う」(同99年9月1日)
「まあしょせんこれはポリスにとっても僕らにとってもゲームなので,ルパン3世のように楽しんでください」
(同99年10月29日)
登頂を果たし降りてくると警官が待ちかまえている。オフィスに連行され尋問,ボディチェックの後,
バクシーシ(=賄賂)をまきあげられて釈放されるのがお決まりのコースである。このとき渡すバクシーシの
“相場”まで情報ノートには書いてあり,さらに
「少額札で各人がばらばらと出すと,たくさんあるようにみえ,又,分配も楽なので喜ばれる」(同97年2月5日)
という情報まである。
「そして奴らは一緒になってバクシーシを要求してきたのです。くそお,なんて性根の腐った奴らなんだ,
お前らは!」(99年2月2日)