09/09/11 16:28:26 0
今年の夏、アメリカの東海岸で海面が想定より約60センチ上昇して、
周期的な変動パターンを予測する気象学者たちを驚かせている。
アメリカ当局の報告書によると、想定を上回る上昇の(地球温暖化とは異なる)直接原因は
判明したが、根本的な理由は謎のままだという。
米国海洋大気庁(NOAA)の海洋プロダクト・サービス運用センターの
副所長リッチ・エドウィング氏によると、通常、季節的な潮汐や海面高の変動は、
すでに知られている自然活動や月のような天体からの重力の影響に支配されているため
容易に予測できる。
だが今年の夏は、東海岸の住民たちが「例年よりも海面が高い」とNOAAに報告してきた。
熱帯暴風雨のような短期的な天気事象があると、そうした電話がよくかかってくるものだが、
今回の海面上昇は6月から7月にかけて何週間も続いた。
この想定外の上昇による被害は海岸付近の小規模な洪水だけで済んだが、
科学者たちは大いに困惑している。
新しい報告書で、海面上昇の主な要因はメキシコ湾流の弱体化と大西洋北東部からの
安定した風であると特定された。
メキシコ湾流はアメリカ東海岸沖を北向きに進む海の“スーパーハイウェイ”だ。
最も早い部分では時速9キロメートルで走る強力な海流は、周囲の海水を巻き込んで
東海岸のはるか遠くまで運んでいる。だが今年の夏は、未知の理由により
「そのスピードが落ちた」とエドウィング氏は言う。その結果、海水が岸に押し寄せて
海面が上昇した。
上昇が持続したことに加えて、大西洋北東部から例年より数カ月早く秋の風が到来し、
海水がさらに東海岸に向けて押されることになった。
「なぜメキシコ湾流のスピードが落ちたのか? 秋風が早く吹き出した理由は?
その答えはまだ見つかっていない」とNOAAのエドウィング氏は述べている。
ソース:ナショナルジオグラフィックニュース
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)