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自民党内で永住外国人への地方参政権付与が大きな政治テーマになったことがある。
10年ほど前、1999(平成11)年から2000年にかけてだ。
当時、韓国の金大中(キム・デジュン)大統領が「韓国も外国人に参政権を認めるから」と、
「相互主義」を盾に、小渕恵三、森喜朗両政権に実現を迫った。
永田町では、公明党が「日本社会に深く根ざしている」と特に韓国籍への付与に(現在も)推進し、小沢一郎氏(67)も
自由党党首として「日本人が誠意を事実として示すべきだ」と発言していた。
自民党は賛成と反対で割れていた。ただ、官房長官や幹事長を務めた野中広務氏(83)が公明党との
連立政権維持を理由に積極的に進めようとしたことで、実現への流れができそうになっていた。
■「与謝野論文」が転機
「与謝野の論文を知っているか」 2000年9月、自民党担当としてこの問題を取材していた記者に声をかけたのは、
反対派の代表格で参院議員会長の村上正邦氏(77)だった。
与謝野馨(かおる)氏(71)が自民党選挙制度会長として調査会で検討を重ねた結果をまとめていたことは知られていた。
しかし、一部執行部だけの「極秘」扱いになり、
与謝野氏が00年夏の衆院選で落選したこともあって、日の目を見ないままになっていた。
「この論文を読めば、外国人参政権の問題点がよくわかるはずだ」
しばらくして、論文を入手した。村上氏の言う「問題点」が何を指すかがクリアになった。
そして、論文を産経新聞に掲載すると、自民党内での議論は沈静に向かった。
■国民固有の権利
与謝野氏の「外国人地方参政権問題に対する見解」(素案)は
「先の大戦への償い」みたいな感情的な見方を一切排除し、「憲法とのかかわり」に絞った。
ポイントは、憲法15条1項が参政権を「国民固有の権利」とした点だ。
「どのように解釈しても外国人に参政権を予定しているとはいえない。
『日本国籍』を有する人に限って参政権を『固有の権利』として規定していると解するのが自然である」
続きます
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