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今にも降り出しそうな空の下、永田町界隈(かいわい)を歩いた。2棟ある衆院議員会館
では2日が落選組の退去期限とあって、スタッフらが残務整理に追われていた
◆通路には事務用品や書類があふれ、傍らを当選祝いのコチョウランを配達する生花店員
が通り過ぎる。霞が関の官僚も与党となった民主党議員への表敬訪問に忙しい。政権交代
の明と暗を象徴する光景だ
◆自民党議員の大量落選で、失職する秘書も過去最多と予想される。ベテランの男性秘書
は「年も年なので、今後のことは未定。公園で時間でもつぶそうか」。20代の女性は
「先生に再就職先を相談したら、結婚相手を見つけろと言われた。どっちも厳しい」と疲れた表情だった
◆がらんとした衆院本会議場に入る。解散日の喧噪(けんそう)が随分前のことのように
思える。議場では約40年ぶりにいすの布地張り替え作業が進んでおり、9月下旬までに
全480議席を新調する。新首相を決める特別国会は16日に召集されるが、一部は古い
ままになるという
◆勝海舟は晩年、「どうも7、8年ないし10年にして人心が一変する」と述べている。
開国、尊皇攘夷(じょうい)、王政復古と「維新までに三変した」と振り返り、「政治家
は流行ではなく機勢の変転を見なければならない」と指摘している
◆時代の流れを的確に読み、それに沿った政治を行え-という意味にとれる。流れを読み
解けなかったら、次の選挙で明暗は逆転するだろう。
神戸新聞 正平調
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