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民主党への政権交代が決まり、「レームダック(死に体)内閣」状態と
なった麻生政権。閣僚の間には無力感も漂っている。
麻生首相は1日の閣僚懇談会で、衆院選から「生還」した閣僚らに対し
「新政権に引き継ぐべき事はしっかり引き継ぎ、引き継げない部分については、
党に帰って政策実現に努力しよう」と声を掛けた。
首相自身は朝から首都直下型地震を想定した政府の総合防災訓練に臨むなど、
淡々と業務をこなした。川崎市の訓練会場を視察した際には、三角きんを首の
後ろで結ぶ訓練に自ら参加。消費者委員会の初会合では「結果はきちんと出せた。
責任は果たしたかなと思っている」と胸を張った。
麻生内閣は、鳩山内閣が発足する9月中旬まで、危機管理を担う。舛添厚生労
働相は閣議後の記者会見で、新型インフルエンザ対策について「10月下旬は厳し
い状況になっている危険性がある。ピークを後ろにやるよう全力を挙げる」と述べ、
本格流行への対応を急ぐ考えを強調した。
だが、閣僚の士気は低下気味で影響も出始めている。与謝野財務・金融相と二階
経済産業相は、近く開かれる国際会議に欠席し、副大臣らを代理出席させる方針を
明らかにした。
与謝野氏は「医者の賛意が得られなかった」と欠席理由を説明。二階氏は「すでに
私の意向は伝わっている」と釈明した。
政権交代で、継続事業の今後の行方についても懸念がある。
民主党が建設中止を政権公約(マニフェスト)に盛り込んだ 八ッ場 ( やんば ) ダム(
群馬県)の建設問題について、金子国土交通相は記者会見で「(民主党は)地元の意見
も十分聞いてほしい」と悔しさをにじませた。
民主党は1日発足した消費者庁の内田俊一長官の差し替えも検討しているが、野田消
費者相は記者会見で「国民は民主党に、もっと違うことを求めている訳だから、そっちに
エネルギーを注いでほしい」と語った。
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