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民主党の鳩山由紀夫代表は31日、麻生政権下で進めてきた2010年度予算の概算要求を全面的に見直す考えを表明した。
財務省が同日締め切った各省庁の概算要求と税制改正要望には、公共事業や農業補助金の拡充など民主党が反対する
政策が盛り込まれており、新政権は「国家戦略局」主導で予算の大枠に当たる概算要求基準(シーリング)を白紙に戻す方針だ。
ただ、予算の組み替えには関連業界などの抵抗も予想され、まずは年内編成を実現できるかが焦点となる。
鳩山代表は「民主党の目に触れない時にやるのは歓迎できない。根本的に変えていく」と語った。
国の財政規模を示す一般会計総額は、要求時点で前年度当初予算に比べ約3兆5800億円増の約92兆1300億円。
概算要求段階では初めて90兆円を突破、過去最大の規模となる。
政策経費である一般歳出は7月に決めたシーリングに沿い、約52兆6700億円。
民主党は、菅直人代表代行が30日に概算要求の中止を求める発言をして各省庁を早速けん制。
岡田克也幹事長は31日、概算要求について「鳩山政権がスタートすれば、中身が恐らく変わるということになる」と明言した。
国土交通省は道路予算を約16%増、公共事業全体でも約21%増を要求した。
農林水産省も飼料用のコメや麦などを生産する農家への補助事業拡充を盛り込んだ。
いずれも公共事業削減や農家への戸別所得補償制度を掲げる民主党の政策と方向性が食い違う。
文部科学省は高校生向け給付型奨学金の創設を盛り込んだが、
新政権は「子ども手当」や公立高校の実質無償化などを優先する。
一般会計総額は09年度補正後予算(102兆4736億円)からは縮小するが、
景気が再び下振れすれば2次補正予算を編成する公算が高まる。
税収も低迷が続いており、鳩山代表が表明した国債の新規発行抑制は簡単ではない。
2009/08/31 21:55 【共同通信】
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