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718続き。
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どんな国の経済秩序も長い年月をかけて構築されてきたものであり、それは、その国の伝統や習慣や国民の生活様式
の影響を反映している。しかしグローバリズムは非経済的な価値や環境問題や資源的制約の問題などを全く考慮せず
に進行してきた。
もし我々が冷戦終了後の日本社会の変化を振り返るとするならば、グローバル経済が伝統的な経済活動を害し、地域
社会を破壊してきたと言ってもなんら誇張はないと私は信じる。
市場理論の立場からは、人々は単に人件費でしかない。しかし現実世界では人々は地域社会を支持する骨組みであり、
それぞれの伝統や文化や習慣を有する物理的実体である。個人は職を確保し、地域社会のなかで一定の役割を占め、
それぞれの家族の生活を維持していゆくことで人間としての尊厳を得る。
友愛の原理のもとで、我々は政策を実現するだけではなく、人々の生活と安全に直結する農業や環境や医療のような分
野でグローバリズムの宥和を図るだろう。
政治家としての我々の責任は、グローバリズムの進行で投げやられた非経済的な価値に注意を向けなおすことにある。
我々は人間同士のつながりを再生紙、自然と環境をより一層考慮して、福祉・医療のシステムを再構築し、よりよい教育と
育児扶助を実現し、偏在した富を再配分するために働かなければならない。
友愛の理念から導かれるもう一つの国家目標は、東アジア共同体の構築である。もちろん日米の安全保障協定は日本の
外交の基礎(※1)であることに変わりはない。
しかし、同時に、我々はアジアに位置する国家としてのアイデンティティを忘れてはならない。活力を増大している東アジア
地方が、日本の基本的な活動範囲であると信じている。安定した経済協力と地域安全保障の枠組みを構築する努力を
継続しなければならない。