09/08/26 08:04:01 TtCumWpR0
日経朝刊より
「言葉じりをとらえるな」。
失言の尻ぬぐいに追われ続けた官房長官から
おしかりを受けそうだが、やはりちょっと看過できない。
麻生首相が若者に向け「カネがないなら結婚はしない方がいい」という趣旨の
助言をしたとされる件だ。
▼ご隠居さんが訳知り顔で世知を説き、粋がっているならまだ分かる。
民のかまどから煙が消えれば心を痛めるのが為政者のはず。
貧しくともこつこつ働き、何とか子を育てる若い親の心にも、
この言葉は突き刺さったのではないか。
続けて、稼ぎがなければ尊敬されないとも。
職を探す人々の耳にどう響いたろう。
▼先行きが不安なら結婚をためらうのも無理はない。
就職氷河期は晩婚化や少子化を加速した。
経済はわれわれが立て直すから安心して結婚準備をと
なぜ言えないのだろうか。
今回の総選挙、若者の関心はふだんより高そう。
劣勢と予測される自民党の当選者を、
党首のオウンゴールでさらに減らしたかもしれない。
▼そもそもカネがない人は結婚すべきではないとの考えは妥当か。
一人口は食えなくても二人口は食える、と昔からいう。
「結婚は人生のコストとリスクを減らす弱者のための生存戦略。
貧しい人が結婚しても貧困を再生産するだけ、などという俗説を真に受けるな」。
こちらは内田樹・神戸女学院大教授の助言だ。
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