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人里離れた山間部や海岸沿いにあり、列車でも車でも簡単にたどりつけない「秘境駅」を巡るファンが
増えている。
乗降客はめったにないが、駅を訪れた人々は、なぜか癒やされて帰っていく。ブームの仕掛け人で、
全国の秘境駅をインターネットで紹介している広島県三次(みよし)市の会社員牛山隆信さん（４２）は
「立派な木造駅舎が残っている秘境駅もあり、意外な発見が多い。秘境駅巡りを通し、忙しい日常の中で
忘れてしまいがちな大切なものにも気づくはず」と話す。
「すげー、すげーよ、この駅」「鳥のさえずりが心地いい」。三次市の江の川沿いにあるＪＲ三江線長谷
(ながたに)駅。国道は川の対岸を通り、周辺に民家数軒。駅員はいないが、待合室に置かれたノートには
訪れた人のメッセージがびっしり書き込まれている。
ＪＲ西日本によると、旧国鉄時代の１９６９年、仮乗降場として開設され、８７年の民営化時、駅に。あまりにも
利用客が少ないため、普通列車でも半分が通過。停車は１日上下計５本のみで、ノートを置いた牛山さんは
「隣の駅から歩いて来るのが一番便利」と苦笑する。
趣味のバイク旅に飽き足らなくなった牛山さんが、９９年秋、周囲に人家も道路もない所に駅があることを
知り、好奇心から訪れたのがＪＲ飯田線小和田駅（浜松市）だった。「まさに深山幽谷で、ゆったりした時の
流れに身を委ねられる幸せを感じた」といい、以来、同様の駅を夢中で訪ね回った。全国約２００駅を選び、
ネット上で紹介。「秘境駅へ行こう！」のアクセス数は、９９年１０月の開設以来、約２５０万件に達した。
※続きます。
読売新聞 2009年8月21日14時46分
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▽秘境駅として人気を集める長谷駅。「何もない」のが受けている（画像）
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