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【ニューヨーク=松下佳世】「不明確でカリスマ性に欠ける」「かんしゃく持ちで周囲の手に負えない」―。
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長をノルウェーの外交官が痛烈に批判した本国政府あて公電の全文を
地元紙がスクープし、波紋が広がっている。これまでも欧米メディアの厳しい批判にさらされてきた潘氏だが、
初代事務総長を出した国からの「ダメ出し」はさらに痛手となりそうだ。
公電は、モナ・ユール次席国連大使の名前入り。19日付のノルウェー紙「アフテンポステン」が報じた。
民主化指導者アウン・サン・スー・チーさんとの面会すらかなわなかった7月の事務総長のミャンマー(ビルマ)
訪問を「指導力を見せようともがく事務総長を象徴する成果のなさ」と断じ、スリランカ情勢をめぐっても「非力な
傍観者」でしかなかったと指摘。核軍縮分野での存在感の無さや、金融危機での無策ぶりを挙げ、
オバマ米政権内で「1期だけの事務総長」と呼ばれている、と記している。
同紙の取材を受けたストーレ外相は、あわてて潘氏を「勤勉家」などと弁護したが、電報の存在については否定
しなかった。
ユール次席大使は93年の中東和平オスロ合意締結に尽力した実力者。夫のラーセン氏は潘事務総長の下で
レバノン問題特使を務めている。
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