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7月12~26日に愛知県体育館で開かれた大相撲名古屋場所で、
山口組系暴力団の複数の幹部が、土俵下の溜席(たまりせき)のうち、
日本相撲協会理事会の承認を受けた企業や相撲部屋の後援団体など
「維持員」と呼ばれる後援者用の無料席で観戦していたことが同県警の調べで分かった。
企業や後援団体などが暴力団側へ観戦に必要な整理券などを提供した可能性があり、
暴力追放運動団体は「暴力団への不当な利益供与の疑いがある」と問題視している。
県警組織犯罪対策局によると、山口組2次団体で名古屋市拠点の
弘道会(構成員約4000人)の傘下組長らが、土俵から数列目の維持員席で観戦していた。
観戦者は日によって異なるが同じ席を使用。
傘下組長だけでも15日間のうち少なくとも4日間は県警が観戦を確認しており、
テレビ中継でも映っていた。
名古屋場所では少なくとも最近数年間、同会幹部が同様に観戦しているという。
協会によると、協会に一定額(名古屋場所の場合で130万円)以上の寄付をした
法人・個人、相撲部屋・力士の後援団体などは理事会で協会維持員と認められる。
維持員は溜席のうち特に土俵に近い300席を6年間無料で割り当てられる。
維持員席の外部へのチケット販売はなく、原則として維持員以外は使用できないという。
だが相撲評論家やチケット販売業者によると、
実際は維持員になった企業や飲食店が席を接待目的に使うことがある。
協会側も、維持員証と場所ごとに発行する整理券を提示されれば、身分確認はしていないという。
同会幹部らは維持員を通じて整理券などを入手した可能性が高い。
全国暴力追放運動推進センターの相原秀昭担当部長は
「あらゆる利益供与や商取引をやめないと暴力団は排除できない」と指摘する。
一方、協会広報部は「暴力団関係者の観戦について苦情やトラブルの報告はない。
観戦していたという事実を把握しておらず、調査の予定もない」と話している。【秋山信一】
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