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1990年代前半までは、学校を出たら企業に就職して、一から仕事を教えてもらって、10年もたてば
ひと通りの仕事を覚えて、職場で「必要な人間」と承認されることが普通でした。そうでなくても
「後ろ指をさされない生き方」をして、結婚して、子供をつくって、30年ローンで一戸建てを買うことはできた。
今ではこの門戸はかなり閉ざされ、その原因は正社員と非正社員の格差にあり、非正規雇用者の
増加にあると言われています。
非正規雇用者は労働者の4割弱にまで急増しました。そこには、製造業への労働者派遣解禁や
就職氷河期によるフリーターの増加など、さまざまな理由がありますが、いずれにせよ日本の
経済は非正規雇用者を使う仕組みで動き始め、拡大していきました。
派遣社員やフリーターはその中で必要とされていたわけです。そんな人たちを、景気が急速に
悪化したからとはいえ、いきなり馘首する。シンプルに考えて、おかしな話だと思いませんか?
しかも、一時的に仕事がなくなったという単純な話ではなく、生死にかかわる問題に発展しています。
そこに怒りを感じるんです。例えば、昨年末には多くのメーカーで「派遣切り」があり、何万人という
派遣社員などの非正規雇用者が職を失いました。
彼らの多くは働き場である大工場から遠く離れた場所、失業率が高くて最低賃金も低い、北海道、東北、
九州、沖縄などから、人材派遣会社を通じて送り込まれました。体ひとつでやってくるので寮付き、
契約期間は3カ月や半年、寮費や生活家具などのレンタル料を引かれて、給与は1カ月10万円台前半です。
こうした人たちが突然解雇されると、寮からも追い出され、貯金もできませんから、見知らぬ土地でお金も
仕事も住む場所もなくなるわけです。多くの派遣会社は帰りの交通費など出してくれません。すると、失業が
そのままホームレス化へとつながってしまうのです。年末の「派遣村」に集まった何百人という人たちの姿です。
この問題に対して、「先手を打っておかなかった本人が悪い」「彼らの救済に税金は使いたくない」といった
バッシングの声を聞きます。ですが、ある程度の余裕があればこんな言葉は出てきません。
(>>2以降に続く)
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