09/07/29 16:55:59 0
・右翼の街宣車が集まり、耳をつんざくような大音量で演説を繰り返す。一種の暴力だ。それに屈せず、
社会の自由を守るために皆が力を合わせたい。あらためて、そう考えさせる判決がきのう、東京地裁であった。
被告はプリンスホテル。訴えたのは日教組だ。同社が経営する都心のホテルは、昨年の日教組の教育研究
全国集会に会場を貸すことと参加者の宿泊を引き受けていた。
だが、右翼の街宣活動などがあれば宿泊客や周辺の迷惑になるとして、契約を一方的に破棄した。
裁判所は、きちんと警備すれば大丈夫だという日教組の訴えを認めて会場を使用させるよう命令したが、
ホテル側はこれも拒否し、全体集会は開けなかった。
判決があったのは、この損害賠償を求める民事裁判だ。地裁は日教組の主張を全面的に認め、
約2億9千万円の賠償と謝罪広告の新聞掲載を命じた。
右翼の街宣活動は教研集会のたびに行われてきた。集会を妨害するだけでなく、会場を貸す側にも
圧力をかけ、開催できなくさせようという意図があったと考えるのが自然だ。それにホテルが屈してしまった。
会場貸しの契約破棄どころか、法令に反して参加者の宿泊も拒み、さらに裁判所の命令まで
無視するというのは尋常ではない。企業の社会責任をまったく放棄するものであり、経営者の責任は極めて重い。
同時に指摘したいのは、街宣車の無法ぶりだ。厳しい取り締まりが必要だ。
迷惑がる気持ちも、分からないではない。ホテル周辺の中学校長からは、おかげで入試が円滑にできたと
感謝する手紙がホテルに寄せられたという。
ただ、圧力に屈して自由が引っ込むような社会が、子どもに対して胸を張れるものでないことは確かだろう。
教研集会が中止された2カ月後には、中国人監督がつくったドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の
上映を予定していた映画館が中止するという事態も起きた。
こうしたことが続くと、今の日本は自由に集い、自由にものを言える社会なのか、疑問に思えてくる。
戦うのは勇気のいることだ。ホテル業界の雄でもあるプリンスホテルが、もっと断固とした姿勢を示して
くれればと、残念でならない。 (抜粋)
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