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生活保護費を全額管理 都内の団体施設入居誘い『ピンハネ』訴え 2009年7月29日 夕刊
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東京都足立区の民間団体が約六十人の路上生活者をさいたま市内の建物に入居させ、生活保護を申請して支給額全額をほとんどの入居者に渡さず管理していることが、市の調査で分かった。
この建物は行政への届け出義務がある「無料低額宿泊所」でないため指導権限はないが、市は「生活保護法の観点から受給者の自立を妨げる恐れがある」と判断、
転居希望の十九人に別のアパートを仲介するなどの支援を決めた。
さいたま市によると、この団体は都内の公園などにいる路上生活者を勧誘し、かつて作業員宿舎に使われていた市内の建物に入居させていた。
与えていたのは、ベニヤ板で仕切った二～三畳の部屋。毎月、保護費を区役所で受け取らせた直後に、付き添ってきた団体の職員が月十二万～十三万円の保護費全額を預けさせていた。
この保護費から家賃や食費、光熱費として約九万円を引いて、一日千円の生活費を入居者に渡していたが、日曜日は支給対象外とされ、一カ月の生活費は計恁ﾜ千円。
「五千円から一万五千円がピンハネされた」と訴える入居者もいるが、市の調査時点では、団体側は出納簿などを残しておらず、実態は不明。
団体側は「ギャンブルですぐ使い切る人もおり、まとまった金は渡せない」と話したという。
約半年間入居した五十代の男性は「食事は朝夕しか出ず、一日千円で昼飯が食べられないこともあり、逃げ出した」と話す。
一方、この建物の事務所にいた男性は、東京新聞の取材に応じなかった。（つづく）