09/07/26 06:49:52 0 BE:411505643-PLT(12225)
久方ぶりに、夏の太陽が東京に戻ってきた。いつもの夏なら「暑い、暑い」となるのが、
「ありがたい」気分になるのだから、人間というのは勝手な生き物だ。できれば時計の針を
3日前に戻して鮮やかな部分日食を拝みたかったが、こればかりは仕方がない。
▼高いツアー料金を払って何日も前からトカラ列島の悪石島に渡り、皆既日食を待っていた
みなさんも時計の針を戻したかろう。だが、嵐の中の日食や島民との触れあいは
普通の旅では味わえまい。夏休みもろくにとれぬ記者稼業にはうらやましい限りだ。
▼残念だったのは、晴天に恵まれ、皆既日食をばっちり観測できた硫黄島に、
国立天文台の観測隊やNHKを除いて一般の旅行客が立ち入れなかったことだ。
もちろん、島には自衛隊基地しかなく、旅行客を容易に受け入れられないのはわかっている。
▼島の洞窟(どうくつ)や地下には収集できない日本兵の遺骨が数多く眠ったままだ。
それでも日米両軍が死闘を繰り広げたあの島を世界の人々に見てほしい、という衝動が
小欄にはある。上陸した米軍が星条旗を押し立てた擂鉢(すりばち)山から見える光景は
筆舌に尽くしがたい。
▼何年も前、日本軍が立てこもった洞窟に入ったことがあるが、地熱がものすごく、
中はサウナ状態。眼鏡はたちまち曇り、3分と持たなかった。この中で祖国のために
立てこもり、命を落とした兵士たちを思えば、首相が靖国に参拝するのは最低限の礼儀だとわかる。
▼硫黄島が、戦争と平和を考えさせる世界遺産に指定されても不思議ではない。
戦後64年が経過し、島への立ち入りを解禁するときがきたのではないか。実現すれば、
新たな国立追悼施設建設を唱えている民主党の先生方には、真っ先にお出かけ願いたいが。
*+*+ 産経ニュース 2009/07/26[06:47] +*+*
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