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★【外信コラム】台湾有情 NHK番組の傷跡
・日本で4月に放送されたNHKスペシャル「シリーズ JAPANデビュー 第1回『アジアの“一等国”』」が
日台の民間各界に深い傷跡を残している。番組内容をめぐり視聴者が集団で提訴する事態に発展したのに
NHK側にいっこうに反省の気配がみられないからだ。最も傷ついたのはこの取材に応じた台湾の日本語
世代の人々だろう。
先日、産経新聞台北支局に福地茂雄NHK会長あての「偏向番組に対する抗議状」の写しが届いた。
差出人は「老台北(ラオ・タイペイ)」の敬称で知られる蔡焜燦(さい・こんさん)さんを代表とする
「台湾歌壇」の有志60人だ。
抗議状は「私どもは日本時代に日本国民として生まれ、日本人としての教育を受けた日本語世代を中心に、
日本の伝統的な短歌を40年以上詠み続けています」との自己紹介から始まる。NHKには植民地統治の
功罪両面を話したのに、放送されたのは批判部分ばかりだったという。
NHKが「恣意(しい)的で偏向、歪曲(わいきょく)に満ちた編集態度で日本語世代を傷つけた」にも
かかわらず、何ら誠意ある対応をとらないことを厳しく批判、「(番組の)訂正」を求めている。
末尾の「日本語世代の台湾人は知日、親日、愛日、懐日(日本を懐かしむ)はあっても『反日』は
いません」との言葉からは叫び声が聞こえてくるようだ。近隣で最も親日的な台湾の人々の痛みを
顧みないようでは日本の明日はない。
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