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「メディア・コントロール」 N.チョムスキー
民主主義社会に関する一つの概念は、一般の人々が自分たちの問題を自分たちで考え、その決定にそれなりの
影響をおよぼせる手段をもっていて、情報へのアクセスが開かれている環境にある社会ということである。民主
主義という言葉を辞書で引いてみれば、おそらくそのような定義が書かれているはずだ。
そして民主主義社会のもう一つの概念は、一般の人びとを彼ら自身の問題に決して関わらせてはならず、情報
へのアクセスは一部の人間のあいだだけで厳重に管理しておかなければならないとするものだ。
(P.13~14)
彼らが自分たちの問題の解決に参加しようとすれば、面倒を引き起こすだけだ。したがって、彼らにそんなこ
とを許すのは不適切であり、道徳原則に反する。われわれは、とまどえる群れを飼いならさなければならない。
とまどえる群れの激昂や横暴を許して、不都合なことを起こさせてはならない。
(P.20)
そこで、とまどえる群れを飼いならすための何かが必要になる。それが民主主義の新しい革命的な技法、つま
り「合意のでっちあげ」である。メディアと教育機関と大衆文化は切り離しておかなければならない。政治を動
かす階級と意思決定者は、そうしたでっちあげにある程度の現実性を持たせなければならず、それと同時に彼ら
がそれをほどほどに信じこむようにすることも大切だ。
(P.20)