09/07/22 13:54:52 naBMUwdJ0
イスラムの伝播って面白いんだよね。
元々隊商や遊牧で生計を立てている様な人が作った宗教だから、山賊流の考えがあるんだよね。
時期もまさにローマ体制が崩壊し、各地域では重税が課され人々が困窮していた時期。
貧しい人々にとって、税は軽くなる上に、他者から強奪する事に正当性を与えてくれる宗教だった。しかも、ムハンマドの軍団が勝ってしまった。
その勢いで豊かなローマ地域へ矛先を向ける。宗教家は情熱に燃えて、参加者は強奪の為に。
ちなみに、イスラムでは強奪分の一定の割合を統治者に納める仕組み。統治者からすれば、お前らどんどん行って来い!って感じでけしかける。
旧ローマ地域では、重税から解放される上に、早めにイスラムに入って軍隊(強盗団)に参加すれば、それだけ分け前や強奪品も増える。
従来の宗教に忠実な人々も、混乱期、諸国分裂期だけあって援軍は期待出来ない上に、強盗団の数はネズミ算式に増えていく。
有力者にとっては、これはもう入らなければ生命も財産も危険すぎる。
一気に北アフリカがイスラム化。スペイン奪取。トゥールポワティエで大敗して、一旦活動停止。
その後、次なるターゲットとしてシチリアが格好の対象となり、宗教家が扇動。わらわらと押し寄せてシチリア征服。
そこで莫大な戦費や人命を費やしていたから、征服よりも海賊やった方が儲かるんじゃね?と方針転換。
その後、シチリアなら海賊よりもキリスト諸国と交易やった方が儲かるんじゃね?と海賊業から交易へとさらに方針転換。
さらに、島のキリスト教徒全員改宗させたら、税金取れなくね?と改宗方針も転換。キリスト教徒を残す方向へ。
これが予想外の効果を生み出し、シチリアは宗教や思想が寛容な地域となり、交通の要衝であることもあり、経済活動活性化。そして文化や学問が花開く。
シチリアルネッサンスとなるのですね。
まぁ、今では想像もつかないが、当時のイスラムの勢いは凄く、キリスト教徒はいつ来るかわからないイスラム海賊に怯えて暮らしていた中世。
キリスト教徒にとっては、まさに「暗黒」の時代。